相続放棄照会書の書き方について、東京家庭裁判所から送られてきた照会書を例にして解説します。例とした照会書は、相続開始後3か月以内に申立てをした際に送られてきたものなので、回答をするにあたって判断に困ることはあまりないかもしれません。けれども、照会書の記載内容は各家庭裁判所によって異なりますし、とくに3か月経過後の相続放棄などでは、非常に多くの質問事項がある場合もあります。
相続放棄の照会書は、質問の内容を良く読んだ上で、事実の通りありのままに書けば良いというのが基本です(ただし、相続放棄申述書に書いたのと、照会書に書いた内容が食い違っては問題ですから、申立てをする前に相続放棄申述書の控えを取っておくべきでしょう)。それでも、質問の内容を正しく理解しないで回答してしまえば、家庭裁判所での審理に問題が生じる恐れもありますから、少しでも書き方に不安がある場合には専門家(司法書士、弁護士)へ相談してから記入すべきです。
1.相続放棄照会書(回答書)の書き方
2.照会書の書き方のご相談について
下記は照会書から、書き方の説明に必要な箇所だけを抜粋しています。実際の照会書については、下記リンク先のPDF文書でご覧になれます(クリックすると新しいウィンドウが開きます)。
相続放棄照会書(東京家庭裁判所)
1.あなたは,被相続人の死亡を,いつ知りましたか。
平成27年9月○日ころ知った。
通常は「被相続人の死亡の日」を書きますが、死亡を知ったのが死亡日の後であれば、その日を書きます。
2.相続放棄申述受理の申立ては,あなた自身でしたものですか。それとも,誰かに手続を依頼したものですか。
(1) 自分でした。
(2)( )さんに依頼した。
自分で相続放棄申述書を作成したときはもちろん、司法書士に書類作成および提出代行を依頼したときでも「(1) 自分でした」を選択して差し支えありません。
3.相続放棄の申述は,あなたの意思によるものですか。
(1) 自分の意思である。
(2) 自分の意思ではない。
自分の意思で相続放棄しようとするときは「(1) 自分の意思である。」に丸を付けます。もしも、他の相続人に強要されて申述したときなどは「(2) 自分の意思ではない。」を選択しますが、その場合には相続放棄の申述は却下されることになります。
4.あなたが相続放棄をする理由を具体的に記入して下さい。
具体的に記入して下さいとありますが、3か月の期間内の申述であれば、「被相続人が債務超過である可能性が高いため。」というような簡潔な書き方でも問題ないと思われます。
5.あなた又は申述人は,遺産の全部又は一部について,これまでに,処分,隠匿文は消費したこと(例えば,遺産の土地を売却したり,預金をおろして使ったりしたこと)がありますか。
(1)ある。
具体的に
(2)ない。
遺産を処分、隠匿または消費したことがなければ「(2)ない。」に丸を付けます。もしも、遺産の処分などをしたことがあるならば、「(1)ある。」に丸を付けて、具体的な処分などの内容を書きますが、この場合には相続を単純承認したものとみなされることになります。
ただし、預金をおろして使ったとしても、それが被相続人についての葬儀費用の支払いであったとすれば、遺産の処分には当たらないとされることが多いでしょう。このような場合に、どのような書き方をすべきかは専門家に相談するなどして慎重に判断すべきです。
上記のとおり回答します。
平成27年○月○日
住所
電話番号
氏名(署名) (印)
(注)やむを得ず代筆する場合は,余白に代筆者の氏名,連絡先(電話番号等)・押印及び代筆の理由を明記してください。
押印は、相続放棄申述書に押した印鑑と同じものを使用してください。また、照会書(回答書)は、申述人本人が自筆するのが原則です。代筆する場合は、上記のとおり「代筆者の氏名,連絡先(電話番号等)・押印及び代筆の理由」を用紙の余白に明記するものとされています。
当事務所へ相続放棄の手続きをご依頼いただいた場合には、照会書へ記入する前に司法書士が内容を確認し、書き方についてのご説明を差し上げております。よって、照会書の書き方をご自分で考える必要はありません。
家庭裁判所への申し立てをご自分でされた場合で、照会書(回答書)の書き方のみについての相談のご希望の場合は、有料相談(1回5,500円~)で承っております。当事務所へお越しになるのが難しいときには、メール相談(有料)もご利用いただけます。
ただし、最初の申立ての時点からご依頼いただき、相続放棄申述書の作成も司法書士におまかせいただくのがベストです。これから手続きをされる場合には、最初から当事務所へ相談なさることをお勧めします。
相続放棄の相談室は、松戸駅徒歩1分の高島司法書士事務所が運営しています。当事務所は2002年2月に千葉県松戸市で開業して以来、相続放棄やその他の遺産相続手続きを多数取り扱ってまいりました。
3ヶ月経過後の相続放棄についても豊富な経験がありますから、他で断られてしまったような場合でもすぐに諦めることなく当事務所へお問い合わせください(とくに3ヶ月経過後の相続放棄については、家庭裁判所への申立てをする前にご連絡ください)。
当事務所の大きな特徴はホームページをご覧になった個人のお客様からのご依頼が多いことであり、初めてのお客様へも親切丁寧な接客を心がけています。事務所へお越しいただいての、手続きのご依頼を前提とするご相談・お見積もりはいつでも無料です(電話のみによる無料相談は承っていません)。
ご相談は予約制ですので、必ず事前にご連絡くださるようお願いいたします。また、当事務所について詳しくは、松戸の高島司法書士事務所ホームページをご覧ください。