相続放棄ができる期間は、民法915条により「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と定められています(相続放棄が出来る期間の基本についてはこちら)。

この3ヶ月以内というのは「裁判所への申立てをする時」であり、つまり、相続開始から3ヶ月以内に裁判所への申立てをすれば期間内だということになります。

実際にも、裁判所へ申立てをしてから、相続放棄の申述が受理されるまでには1ヶ月程度の時間がかかるのも通常です。

そうであれば、相続開始から2ヶ月半が経過した時点で裁判所への申立てをしたような場合、相続放棄の申述が受理される前に3ヶ月間が経過してしまうこともありますが、それでも全く問題は無いわけです。

3ヶ月以内に裁判所への申立てが済んでいれば、その後の手続きにどれだけ時間がかかっても関係ないのですから、心配する必要はありません。

それでは、相続放棄ができる3ヶ月の期間満了日はいつになるのでしょうか

相続放棄ができるのは「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」であり、これを1日でも過ぎてしまったら駄目なので、期間満了日の計算は極めて重要です。

「期間の計算」は民法で定められており、民法140条本文に「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない」との規定があります。

初日は不算入なので、相続開始日が2020年9月10日ならば、「初日である9月10日は算入せず、翌日の9月11日から期間が開始」します。

したがって、相続開始日が2020年9月10日の場合、3ヶ月の期間は9月11日に始まり12月10日に終了することになります。

さらに、民法141条に「期間は、その末日の終了をもって満了する」とあるので、上記の場合でいえば、12月10日の終了をにより3ヶ月の期間が満了となるわけです。

司法書士等の専門家に手続きを依頼する場合、期間については心配不要だと思われますが、相談の時点で期間が満了してしまっていたらどうしようもありません。相続放棄をしようとする場合には、少しでも早くご相談にお越しください。

民法第140条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

第141条 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。