一般のメディアで相続放棄が取り上げられるのを見るのは珍しいので引用してみます。週刊ポスト2014年10月10日号の記事とのことです。

相続放棄の申立件数は年々増加 20年前から3倍の17万件超(ガジェット通信)
相続放棄の申し立て件数は年々増加しており、2013年は17万3166件。20年前(1993年)の5万8490件から3倍にまで膨れあがっている(件数は相続人ベース)。バブル経済の崩壊や起業・株取引の増加による債務超過が増えたことが主な原因と見られている。

相続放棄の申立件数は毎年減ることなく増加し続けており、2014年(平成25年)は173,166件とさらに増えています(司法統計より)。

記事中では「相続放棄の手続きを行なうことができるのは原則として被相続人の死後3か月以内」となっています。被相続人の配偶者または子どもが相続人であるときには、その通りですが、相続の開始(被相続人の死亡)した事実を知らなかったときには「死亡したことを知った時から3か月以内」です。

長年に渡り交流がなかった親子の場合には、死亡した事実を知らないことも決して珍しくはありません。この場合には、知った時から3か月以内であれば全く問題なく相続放棄ができるわけです。

また、死亡の事実は知っていても、後になって多額の債務の存在が発覚した場合などでは、3か月経過後であっても相続放棄できる場合があるので、すぐに諦めずに専門家(司法書士、弁護士)に相談するのがよいでしょう。

3か月の期間のスタート時期についても、被相続人の直系尊属、または兄弟姉妹が相続人となる場合、先順位の相続人がいるときには「その相続人が相続放棄したことを知った時」からカウントします。後順位者が相続人となるのは、前の順位の相続人全員が相続放棄をした場合だからです。

もしも、前の順位の相続人が相続放棄をしていても、その事実を知らされていなかったときには、知った時から3か月以内であればまったく問題なく相続放棄ができます。3ヶ月間の期間がいつ始まるかは非常に重要です。心配なときはすぐに専門家に相談した上で、手続きをするべきです。