3か月経過後の相続放棄申述をする際に提出した上申書(事情説明書)の例です。実際に使用したものをベースにしており、すべて申述が受理されたものを掲載していますが、個人情報保護のため修正を加えています。
申立てをする際の参考にしていただいて差し支えありませんが、同様の事例にみえても受理されるとは限りませんし、当事務所では結果について一切の責任を負いかねます。
相続放棄の相談室は、松戸駅徒歩1分の高島司法書士事務所が運営しています。当事務所へのご相談については、ご相談予約・お問い合わせのページをご覧ください。千葉県松戸市の当事務所までお越しになるのが難しい方のために、メールによるご相談を前提とする全国対応の相続放棄手続、有料メール相談も承っております。
・上申書・事情説明書の記載例(1・2・3・4)
6.弁護士(○○法律事務所)からの通知
7.債権回収会社(サービサー)からの通知書(ご照会)
8.債権者(消費者金融)からの通知
9.債権者(消費者金融)の訪問
10.労働局からの督促状(損害賠償債務)
6.弁護士(○○法律事務所)からの通知
私が、被相続人である父Aの死亡を知ったのは、○○法律事務所(○○県○○市・・・)から送られてきた封書を開封し、中に入っていた通知書(平成○年○月○日付け「ご連絡」)を見た、平成○年○月○日のことです。
○年○月に父母が離婚して以来、私も母も、父と連絡を取ることは一切無かったため、平成○年○月○日に父が死亡した事実を知ることはありませんでした。なお、父母が離婚する際、私は母と、妹Bは父と一緒に生活することになりました。その後は、妹とも全く連絡は取っておらず、話をしたことは一度もありません。
上記の弁護士からの封書は、○月下旬に自宅に届きました。しかし、普通郵便で送られてきたものであり、とくに重要な書類が入っているようには見えませんでした。そのため、ダイレクトメールの類いだと思って開封せずいるうちに、その存在すら忘れてしまっていました。
平成○年○月○日、部屋の掃除をしているときにソファの下に置いてある上記封書を発見しました。その時にになって、私個人宛に送られたものであることを認識し、何となく気になって開封してみることにしました。そして、その内容を確認したことで、被相続人の死亡の事実をはじめて知りました。
したがって、私が、被相続人についての「相続の開始を知った日」は、上記封書を開封した、平成○年○月○日であることに相違ありません。
7.債権回収会社(サービサー)からの通知書(ご照会)
私は、平成○年○月に、父母と同居していた実家を出て以来、平成○年○月○日に被相続人である母Aが死亡するときまで、家族とは全く連絡を取っていませんでした。
平成○年、私と父とで住宅ローンを組んで○県○市に住宅を購入し、父母および私の3人で暮らしてきました。ところが、父の事業の失敗により、住宅が競売にかけられ手放すことになってしまいました。そのような経緯で、父母と別々に暮らすことになったせいもあり、家族とは絶縁状態だったのです。
父は兄とともに事業をしていましたが、私はその事業に一切関与していませんでしたので、借入の有無も含めて経営状況は全く知りませんでした。また、父の借入について、母が連帯保証人になっていることも一切聞かされていませんでした。
上記のような状況でしたから、母が亡くなったときにも、母に連帯保証債務があるとは全く思っていませんでしたし、父が知らせてくれない以上は、私が調査をすることは不可能でした。また、母には相続できるようなプラスの財産も全くないと考えていたので、相続放棄をする必要があるとは考えていませんでした。
それが、○○債権回収株式会社から送られてきた封書を開封し、中に入っていた通知書(平成○○年○月○日付け「ご照会」)を見たことにより、被相続人が連帯保証人になっており保証債務が存在することを知ったのです。
上記の事情により、私にとっての相続放棄の熟慮期間の起算点である「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、上記債権回収会社からの通知により相続債務の存在を知った時である、平成○年○月○日です。このような次第ですから、私は、被相続人Aの相続を放棄することを申述いたします。
8.債権者からの通知
被相続人○○は、申述人○○の子です。昭和○年○月○日、被相続人である長女○○を養子に出し、それ以降は一度も会うことはありませんでした。そのため、どこでどんな生活をしているのか全く知らずにいました。
被相続人が、平成○年○月○日に死亡したことは、警察からの連絡によって知りました。その後、被相続人が住んでいたアパートへ行きましたが、とくに引き継ぐべき財産は無く、また、債務の存在が判明するようなものも残されていませんでしたので、相続放棄をする必要があるとは全く考えていませんでした。
それが、平成○年○月○日に債権者○○から送られてきた封書を開封し、中に入っていた通知書(平成○年○月○日付け「ご連絡」)を見たことにより、債務の存在を知ったのです。
上記の事情により、私にとっての相続放棄の熟慮期間の起算点である「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、上記通知により相続債務の存在を知った時である、平成○年○月○日です。このような次第ですから、私は、被相続人○○の相続を放棄することを申述いたします。
9.債権者(消費者金融)の訪問
私は、被相続人○○の妻です。同時に相続放棄申述をする、長男○○、長女○○は、被相続人と私との間の子です。
夫は、亡くなるときまで、私および長男と一緒に暮らしていました。長女は、結婚して、○○県○○市で暮らしています。
夫は、年金収入のみで生活しており、相続する財産は何もありませんでした。また、夫に債務があるとは全く考えていませんでした。そのため、平成○年○月○日に夫が亡くなった際、相続放棄が必要だとは全く思っていませんでした。
ところが、平成○年○月○日、消費者金融である株式会社○○の社員が自宅にやってきました。夫が亡くなったのを知り、夫の債務の存在を知らせに来たとのことです。そのときは、相続人として支払うのかどうかを決めたら、私から連絡することにして帰ってもらいました。
長女には、その日のうちに上記の事実があったことを伝えました。想像すらしていなかった債務の存在を知り、他にも債務が存在する可能性もあると考えたため、私たちは相続放棄をすることにしました。
上記の事情により、私および長男、長女の人にとっての、相続放棄の熟慮期間の起算点である「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、上記事実により相続債務の存在を知った時である、平成○年○月○日です。
このような次第ですから、私たちは、被相続人○○の相続を放棄することを申述いたします。
10.労働局からの督促状(損害賠償債務)
この度、相続放棄の申述をする、○○および○○は、被相続人である父○○の子です。
父は、平成○年○月○日に亡くなりましたが、それまでの約10年間は生活保護を受けながら1人で暮らしていました。
亡くなった後に、私と妹○○とで、父が暮らしていたアパートの後片付けをすると、現金約○円と銀行預金○円の合計10万円弱が残されていましたが、それ以外に資産価値があるものは全く存在しませんでした(この現預金はそのまま葬儀費用の一部に充てました)。
アパートの室内には負債の存在をうかがわせるものは無く、そもそも生活保護を受けながら暮らしている状況で借入れが出来るとは考えられません。よって、被相続人には資産も負債も全く無いと判断し、相続放棄の必要は無いと考えていました。
ところが、平成○年○月○日、父に宛てた○○労働局からの「督促状」が自宅に転送されてきました。すぐに問合せをしてみると、父が交通事故を起こした際に負った損害賠償債務だとのことです。かなり前に生じた債務のようですが、今になって督促がおこなわれたものです。そのような債務が存在するとは、私たち兄弟姉妹の誰もが全く知りませんでした。
上記の事情により、私たちにとっての、相続放棄の熟慮期間の起算点である「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、上記通知により相続債務の存在を知った時である、平成○年○月○日です。
このような次第ですから、私たちは、被相続人○○の相続を放棄することを申述いたします。
(関連ページ)3ヶ月経過後の相続放棄もご相談ください
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