代襲相続(だいしゅうそうぞく)
被相続人の子など、本来であれば相続人になるはずだった人が、被相続人よりも先に亡くなっている場合、その亡くなっている子の子(被相続人の孫)が代わりに相続人となります。これが代襲相続です。

代襲相続のイメージ図
上の図では、平成25年に祖父が死亡し相続が開始しました。このとき、父が存命であったならば、祖母とともに父が相続人となるはずでした。しかし、父は平成20年に死亡していているので、父の代わりに長男が祖父の相続人となるわけです。

・代襲相続が生じる場合

代襲相続が生じるのは、被相続人の直系卑属(子、孫など)、被相続人の兄弟姉妹についてです。代襲者が直系卑属である場合のみ、再代襲が生じます。

(1) 被相続人の直系卑属(子、孫など)

被相続人の直系卑属(子、孫など)の相続権については、民法により次のように定められています。

民法第887条  被相続人の子は、相続人となる。

2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条(相続人の欠格事由)の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条(相続人の欠格事由)の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

代襲相続が生じるのは、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、または相続人の欠格事由の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときです(民法第887条第2項)。

さらに、代襲者が、相続の開始以前に死亡したとき、または相続人の欠格事由の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときにも、代襲相続が生じます(民法第887条第3項)。これを再代襲(さいだいしゅう)といいます。

つまり、被相続人の子も、孫も、相続開始以前に死亡していたとき、もしも、ひ孫がいれば代襲者として相続人になるわけです。

(2)被相続人の兄弟姉妹

被相続人の兄弟姉妹が相続人となるのは、被相続人に、相続人となる子(または、その代襲者)、および直系尊属がいない場合です。

そして、相続人となるはずだった兄弟姉妹が、相続の開始以前に死亡したとき、または相続人の欠格事由の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときには、その兄弟姉妹の子が相続人となります(民法第889条第2項)

ただし、被相続人の兄弟姉妹については、再代襲が生じることはありません。つまり、兄弟姉妹の子(被相続人の甥や姪)の子が相続人になることはないわけです。

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